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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第39章 それから


(それから)

世界各国に跨った巨大な犯罪組織が摘発されたというニュースが日本列島を騒がせてから約1ヶ月。
新聞の扱いも今では小さなものになり、世間の興味は他へ移りつつある。



あの日、ホテル前での爆発は死者3名、重軽傷者40名を超す惨事となった。
爆発したのはおそらくジンの車で、死者3名というのはジン、ウォッカ、ベルモットだと推定された。推定された、というのは性別すら判別不可能なほど遺体の損傷が酷かったためだ。
メディアは自爆テロか、と色めいたが、新聞の一面をその記事が飾ることはなかった。さらに衝撃的なことが警察から発表されたからである。

その発表というのが、冒頭の「巨大な犯罪組織の摘発」
日本警察、FBI、CIA、ICPO等世界各国の捜査機関が血眼になって探していた組織のトップが、その構成員数人と共に拘束されたというもの。
世界中にあると言われる組織の研究施設にも一斉捜査が行われ、研究員や幹部ら数百人にも及ぶ逮捕者を出した。

当然のように私にも捜査の手は及び、ホテルでの爆発事件も含めこの1ヶ月はほとんど警察やFBIの捜査官と顔を突き合わせていた。
「証拠不十分」拘束されて3日目にそう告げられ、その後は任意での取調べとなったものの、応じないわけにもいかずこうして警視庁に足を運ぶ日々だった。
しかしそれも今日で終わりだ。
この建物にもう来ることはない。

「これまでのご協力感謝いたします。」
警視庁の入口で深々と頭を下げる風見さんに軽く頭を下げて自動ドアをくぐった。
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