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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第37章 デジャビュ?/ジン,ベルモット


「どのドレスがいいかしら?やっぱり赤?ううん、シックな黒も似合いそうよねー。」
その大きな鞄から出した何着ものドレスを床に広げて、ベルモットはこちらを振り向いた。
その手には二着のドレスが掲げられていて、見比べるかのように私の方へ交互に差し出される。

「えっと、全然話が見えないんですけど…?」
その光景に首を傾げると、ベルモットは驚いた顔をした。
「ジン、貴方何も伝えてないの?」
「コイツが知る必要あるか?」
「あらかわいそうに。…ねえギムレット、ジンなんてやめて私のところに来なさいよ。こんな風に貴女を困らせることなんて絶対にしないから。」
こちらを振り向いたベルモットの綺麗な指がするりと私の頬を撫でる。その指はゆっくりと唇まで移動して……

「ふざけた事してねえでさっさと準備させろ。頭吹き飛ばされてえか。」
その声にハッと我に返る。
驚いて目をパチクリとさせると、名残惜しそうにベルモットの指は離れていった。

「今日の夜、ある小説家の受賞パーティがあるの。それにジンと一緒に出席してもらえない?」
「俺の隣で酒でも飲みながら笑ってればそれでいい。」
あまりにも唐突で突飛すぎる話で一瞬頭が真っ白になる。
そういえば前にも似たようなことがあったな、とぼんやりと考えた。

「でもそれならベルモットさんが一緒に行けば…。」
「ごめんなさい、私もクリスとして呼ばれているの。」
すまなそうに彼女の眉尻が下がる。

「そういうことだから、時間がないのよ。早く準備しちゃいましょ!ドレスはどれがいいかしら?」
「ああ、それなら…」
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