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Blue【気象系BL】

第14章 青空の下、キミのとなり


濃さを増していくオレンジを、
いつまでも、見ていた。

言葉なんか要らない...


この素晴らしい景色の前では、
どんな愛の囁きも、
チープに聞こえそうで...


燃え上がるオレンジを、
夜の闇が静かに包み込む頃、

俺たちは、やっと、
唇を重ねた。

そっと合わせて、擦っただけの口づけは、
心の奥の、その先までを振るわせる。

「智...すきだよ...」
やっと絞り出した言葉は、

妙に掠れていて、恥ずかしかった。

「翔ちゃん..大好き...
なんだか、胸が苦しいよ...」

切な気に笑った彼の顔が、
潤んだ瞳が、

俺の胸に刺さる。




......こんなにも、

誰かを愛しいと、

苦しくて、息が出来ないほどに大切だと、

そう思ったのは、

この瞬間が初めてだった。



......熱病みたいだ...


次の行動に移すタイミングも
分からなくなってた俺たちに、

食事を運んできたウェイターが
遠慮気味に声を掛けた。




それから、俺たちは、
篝火揺れるバルコニーで、
ランタンの薄暗い灯りの元、

少し遅めのディナーをとった。


「このワイン、美味しいね♪」

「フランスワインだね~」


「この海老、伊勢海老?」

「ロブスターだよ」

.........


幸せそうな彼の顔を見ているだけで、
俺の心は、満たされていった。



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