第10章 My sweet darling

相葉くんは俺の言葉を待っているみたいだった。

俺は....


ずっと彼に言いたいことが、
言わなきゃいけないことが、

あったんだ。

「相葉くん...」

「？？」

彼は眉を少し上げて、俺の言葉を待つ。


「相葉くんから、急に翔ちゃん、
取ったみたいになって、ごめん...

あのとき、相葉くんと翔ちゃん、
付き合っていたよね...」


思いきってそこまで言うと、

相葉くんは少し驚いたような顔をして、

それから、
いつもの太陽みたいな笑顔をくれた。


「何言ってんの～？
先着順じゃないから...

俺もリーダーと一緒で、

翔ちゃんに助けて貰った口だし。」

「だけど、あの時...」

うだうだ言おうとする俺を、
手のひらで制して、

「翔ちゃんが、そうしたい、って。
そう願ったことだから....

それでいいんだって！

現に、リーダー、元気になってくれたし。」

何も言葉がでない俺に、


「あれだね！翔ちゃんって、
お医者さんみたいだね！

俺とリーダーにとって...」




......この人、

まだ、翔ちゃんのこと好きなんだ。

でも、
それでも、俺、彼だけは....



「翔ちゃんのこと、
幸せにしてやってよ、リーダー」



結局、俺より相葉くんの方が、
大人だ、
って、そう思った。