• テキストサイズ

猫王子と犬平民

第19章 猫王子と誕生日


side


…恥ずかしい。というか、あたしはこんなキャラじゃない。

だけど赤司といると、どうしてもペースを乱される。特に、こうやって触れ合っている時間は。


「僕のほうこそ、ありがとう。そして、誕生日おめでとう。僕はもらってばかりだな」

『?あたしもネックレスもらったじゃん』

「それ以上に大きなプレゼントをもらった。の返事が、僕の人生の中で一番大きなプレゼントだよ」

『…むかつく』

「何がだい?」

『赤司ばっかり余裕そうなのがムカつく』

「余裕?僕が?本当は見せたくなかったんだが…、顔を上げてごらん」


赤司の言っている意味が分からなくて、言われた通りゆっくりと顔を上げる。そこには、顔を真っ赤にしている赤司がいた。


『赤司、顔真っ赤…』

「のせいだよ。が可愛い事ばかりするから、嬉しい事を言ってくれるから、…僕の隣にいてくれるから」


赤司の言葉のせいで、もともと赤かった自分の顔がさらに赤くなっていくのが分かった。だって、もう炬燵の中くらい熱いんだもん。


『あたしも、赤司が隣にいてくれて嬉しいよ』

「これからは、ずっと一緒だ。いいね」

『…分かってるよ。あたしと赤司は、ずっとこのままだから』

「クスッ…そうだね。今日はもう遅い、寝ようか。僕は風呂に入ってくるから、先に寝てても構わないが…やはり、待っていてほしい」

『あはっ、大丈夫。待っとくよ』


赤司を見送り、ぽてっとソファーに身を預ける。あたし、赤司に伝えたんだ。

そして、赤司はあたしの想いを受け止めてくれた。そして、赤司と付き合ったんだ。


「?」

『って早っ!!!もう上がったわけ!?』

「少しでも一緒にいたくてね。速攻で全てを洗った」

『もうただのバカでしかないんだけど!?ったく…髪乾かすからこっちおいで』

「っ…」

『え、嫌だった?』

「嫌じゃない。ただ、大胆だなと思ってね」

『何が!?』


それから赤司は変なツボに入ったらしく、ずっとクスクス笑っていた。正直怖かった。
/ 348ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp