第19章 猫王子と誕生日
赤司に連れられて入った店は、キラキラと輝くジュエリーショップだった。ていうかちょっと待て!1つ1つがすっげー高そうなんだけど!?私を買ってみなさいよ!って主張してるんだけど!?
しかしそんな事も気にせず、赤司は黙々とガラスのショーケースとにらめっこしている。あ、可愛いなんて思った自分を全力で殴ってやりたい。
「、おいで」
赤司に呼ばれ、どうにかして足を動かし、赤司の元まで行く。
『わ、可愛い…』
「…気に入ったかい?」
『!?ちょ、ちょっと待って!可愛いけど、これはダメ!』
「どうして?」
『高すぎだから!一体いくらゼロが付いてると思ってるんだよ!高校生が手出せるモノじゃねーからな!』
「値段は関係ない、そう言ったのはだが?」
言葉に詰まり、まじまじとそのネックレスを見る。有名な名前が付いてそうな赤い宝石を囲うように、花に見立てこれまた有名な透明に輝く宝石様が飾られている。
「すいません、これください」
『っ!だからちょっと待て!あ、あたしこれ正直微妙だわ!』
「嘘をつくな。目が泳ぎまくっているぞ」
『違うから!これはアレだよ!えーっと…目の運動?』
「どうして疑問形なんだ。とにかく、僕はコレをに付けてほしい」
『人の台詞マネすんな!あぁ、ちょっと店員さん!それなしだから!』
赤司はあたしを抑え込むと、店員さんに会計するように促す。それをカードで支払う。つーか高校生がカードって何だよ!!
小さくてもかなり高額なモノが入っている箱を受け取ると、赤司はあたしの手を引き、颯爽と店を出た。あぁ、店員のキラッキラの挨拶が眩しい!!!
そして赤司に手を引かれ次に辿り着いたのは、これまたキラキラした高そうな店だった。
『…ねぇ赤司、何これ。何処ここ』
「レストランだよ。もう予約してあるから、すぐに食べられるよ」
『ちょっと待て、あたし知らない』
「言ってないからね。ほら、行くよ」
赤司は堂々と扉を開けた。対するあたしは、超猫背でビクビクしながら赤司に強制連行されたのだった。