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猫王子と犬平民

第9章 猫王子といじめ


暫くすると全てのボールが片付けられた。


『で、最初の質問。時間やばいんじゃない?』

「それはもだろう。どうするつもりだ」

『どうせ寝れないからね。とりあえずシャワー室に行くよ。おやすみ』


だけど僕は帰るつもりもない。シャワーを浴び終えた僕は、待つ事しか出来なかった。の荷物が体育館にあるから、どうせここに戻ってくる。


『ちょ、アンタ何してんの』

「おかえり」

『ただいま。…じゃなくて!!!何でここにいるの!?もう1時だよ!?』

「僕ももう寮に帰れない。どうしようもないからね」

『っ…はぁ。最初に帰しとけばよかった』


は鞄の中からスマフォを取り出し操作する。時々クスリと笑った。


「面白いものでもあったか?」

『…いい友達を持ったなって。ほら、見てよ。このメールの数。特に奈央がやばいんだけど』


画面にはクラスメイト、他のクラスの奴らから心配するメールがたくさん届いていた。そしても言う通り川崎からのメールと着信が凄かった。


『…悪い事したなぁ。大事な友達、疑うような事しちゃった』

「…お前はそれほど大事なモノを壊された。仕方ないだろう」

『…バレーシューズは所詮消耗品。だけど友達は一生もの。…同じ天秤にかけることが間違ってるよ』

「…悔しくないのか」

『その質問、2度目だね。…もうどうでも良くなっちゃった。犯人捜すのもめんどくさい』

「…本気で言ってるのか」

『…うるさいなぁ。関係ないじゃん、ほっといてよ』

「…」

『ほっとけっつってるだろ』

「」

『うるさい!』

「!!!!』

『ビクッ!!!』


は大きく肩を揺らし、初めて僕を視界に捉えた。
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