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黒子のバスケ*Short Stories2

第4章 一枚上手*赤司*


久々の休日。

彼女がずっと行ってみたいと言っていたカフェへ足を伸ばした。

ケーキが彼女の元へ運ばれて、それを瞳を輝かせて眺める姿を見ると、ここへ来てよかったと実感する。

一口一口噛み締めるようにケーキを口にする彼女の姿が、子供の頃と重なった。

「征ちゃん。」

昔から変わらぬ呼び名で僕を呼ぶ彼女は、小首を傾げて僕の方を見つめていた。

「どうしたの?さっきからぼんやりしてるけど。」

気付くと彼女のケーキは半分ほどなくなっていた。

「あぁ…。は変わらないなと思ってね。」

「え?それ、どういうこと?」

「言葉の通りだよ。は昔から変わらない。」

すると、はフォークを置き、納得できないといわんばかりに眉間にシワを寄せた。

「…私だって大人になったもん。」
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