• テキストサイズ

白昼夢第1幕【三日月の満たし方】月島蛍[®18]

第2章 過去


不思議と辛くなかった
いつか見捨てられると
子供ながらに分かっていた

そのいつかが来ただけだって
思ったら涙も出なかった

大きな家に私と年老いて
病気がちなおばあちゃんと
住み込みのお手伝いさんを残して

【私の家族】は行ってしまった

唯一優しかった 
おばあちゃんは程なくして
あっさり居なくなった
私は一人ぼっちになった
でも寂しかった記憶はない
学校にも塾にも友達だって居たし
お手伝いさんも
両親が海外に行ってから
【迷惑かけます】って事で
お金をいっぱい貰えるように
なったから
とても優しくしてくれる 

私のワガママは
なんだってきいてくれるし
成績さえ落とさなければ
私が何をしても怒らない
私は自由だった
でも家は何一つ楽しくなかった
/ 2295ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp