第4章 4 傷と微熱 #水戸部凛之助
水戸部先輩はロッカーから絆創膏を取り出した。
『ありがとうございます!』
受け取ろうとしたとき、さっと手を引かれた。
『え!?』
訪ねると、水戸部先輩は小さく首を横に振った。
そうして、私に手の平を出してきた。
分からなくて水戸部先輩を見つめていると、水戸部先輩は自分の手の平をとんとんと叩いた。
『…あ!』
私は手を水戸部先輩の手の平の上に乗せた。
そうすると、にっこりと笑って頷いた。
ほっと、安心したのも束の間、指先に生温い感覚があった。
見ると、水戸部先輩が私の怪我した指を舐めていた。
『水戸部先輩!?何してるんですか?!』
それでも、水戸部先輩は止めなかった。
水戸部先輩の舐めた指は唾液で濡れた。
『ん…水戸部先輩…っ』
だけど、その唾液の冷たさに、温もりがあった。
私は弾かれたように水戸部先輩の額に手の平を当てる。
じんわりと温もりを感じた。
『水戸部先輩、もしかして熱があるんですか?!』
よく見ると、水戸部先輩の焦点はあっていない。私の手の冷たさを求めて指を舐めているようでもある。
『先輩…!冷やしましょう!』
しかし、舐めるのを止めない。
気がつけば 怪我した指だけでなく、手全体を舐めている。
その舌使いに私も少しずつ感じ始めてしまった。
『先輩…っやめて…』