第1章 僕の命をかけてでも
手術成功から1週間が経った
あと数日、異常がなければすぐに退院できるらしい
あれから蒼汰は一度も病室に来ていない
そのことがどうしても引っかかっていた
お母さんも何も教えてくれない
さすがに変に思って聞いてみることにした
「ねぇ、お母さん…蒼汰はどうしてこないの…?
連絡とかきてない?何か知ってる?」
「黙っていてごめんね…蒼汰くん…あなたの手術中に自分の部屋で亡くなったらしいの…」
「え…?う、嘘だ…
そんなの……あ…」
あの時の夢は…ただの夢だと思ってたけど何か特別な夢だったのかな…?
蒼汰が伝えに来てくれたんだ…
きっと貴方に命を守られたのね
「蒼汰、私も大好きだよ…」
命をかけてまで私を守ってくれてありがとう
守ってくれた方法、今はまだわかんないけど
いつかきっと見つけてみせるよ
ありがとう、蒼汰
夢でならまたきっと会えるよね…?
end
next、あとがき