第3章 fromYtoY
今を一つ拾う度、過去を捨てるような。
有限の記憶と時間の中、そこに居座っただけの僕など、貴方の記憶からは、消えてしまうんだろう。
-もう二度と戻れないの?
ここは始まりか終わりか__
広いベッドで眠る夜はまだ明けなくて、たった独りで夢をみる。
貴方との記憶を辿る夢を…。
数え切れない罪を重ねてきたこの手で触れて、貴方の隣でそっと生きようとしたこと
孤独の痛みで償うから、だから。
貴方の記憶に、そっといさせてください__
変わらない気持ちでまた出会えたらいいな。
そしたら手を繋ごう。
その時まで、、
「黒尾さん、またね」