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雪の華【気象系BL小説】

第24章 番外編ー修と智宏ー


「思い出した…中島美嘉だ」


智宏「知らないなぁ…」


「兄さんがよく鼻歌で歌ってた」


智宏「そっか…」


知念の待つ駐車場への坂道をテクテク並んで歩く。
空を見上げると綺麗な快晴。


智宏「修くん」


「ん?」


智宏「今日はありがとね」


「ううん。来て良かった。逢えて…良かった」


智宏「本当に?」


「君に逢えなかったら…ずっと…大野の家の人間を憎んでた。兄さんが幸せだったって事…分からなかった」


智宏「そっか…良かった」


「命を懸けて人を愛せた兄さんを…誇りに思えるよ。智宏のお陰だよ」


智宏「うん」


「あのさ…」


智宏「うん?」


立ち止まり、智宏を見つめる。


「これからも…逢えないかな?」


智宏「………」


「………智宏に…逢いたい。これからも…ずっと…」


親指で…さっき触れた唇に触れる。


智宏「俺も…逢いたい。修くんに」


智宏がにっこりと笑う。


「修でいいよ」


指を絡ませ智宏の手を握るとしっかりと握り返してくる。


智宏「………修」


そしてまた俺達は歩き出した。


これからどうなって行くのか…考えても分からない。
ただ…こうして…智宏と並んでいたい。
こいつの隣に居たい。
思いは…そのひとつだった。


兄さん…今度は…智宏と一緒に墓参りに行くよ。
いいよね…?


ーTHE ENDー
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