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雪の華【気象系BL小説】

第16章 Bird Cage


テーブルの上には…まな板とタオル。
そして出刃包丁。


隣に置かれた氷水の入った桶でおいらは手を冷やしていた。


松岡「ぼん…どうですか」


「うん。そろそろ感覚が無くなってきたかな…」


松岡「………本当に…いいんですか」


「翔くんと一緒になる為だ。これ位安いさ」


松岡「………」


「松兄」


松岡「はい」


「………押し付けてごめんな。でも…大野組を頼むよ」


松岡「………必ず」


「ありがとう」


会長「そろそろいいか智」


部屋から出ていた会長と父ちゃんが戻って来る。


「はい」


会長「始めるか」


おいらが桶から手を出すと…松兄が手早く拭いて小指の根本を紐で強く縛る。


そのまままな板の上に置くと…松兄が包丁を指にあてがう。


会長「病院の手配は?」


智父「先程済みました」


会長「そうか。じゃあやれ」


松岡「はい」


「………」


おいらはハンカチを取り出してしっかりとくわえる。


手を微かに震わせる松兄の背中を軽く叩いた。


松岡「すみません」


松兄…きつい役引き受けてくれてありがとな…。


おいらはゆっくりと目を閉じた。


松岡「ふぅっ…」


松兄がゆっくりと息を吐く。


「ぐぅっ…!!」


松兄の体重が包丁に掛かったのと同時に…強い衝撃が指を襲った。
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