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雪の華【気象系BL小説】

第13章 True Love


ー影山sideー


いつもと変わらない朝。
いつもと変わらない朝食風景。
いつもの様にテーブルを回りながら給仕をする。


いつもと違うのは旦那様が一緒にお食事を取られてるという事。


翔様がいつもより明るく振る舞い、修様の面倒を見てる事。


昨夜…5分程で旦那様の書斎から出て来た翔様は何も言わずに部屋へと戻り私でさえも閉め出されてしまった。


奥様の…陽子様の死の真相を知ったご様子だった。
旦那様はどこまで話されたのか。
しかし私に聞く術はない。


翔父「翔」


ふと、旦那様が翔様に声を掛ける。


翔「はい」


修様から目を離して翔様は顔を上げた。


翔父「美樹さんと…今度会ってみないか。2人で」


翔「………」


美樹様とは…少し前に翔様がお見合いした相手。
安倍首相の姪御様。
あの日以来…翔様は拒絶する様に美樹様とは会っていなかった。


しかし…。


翔「………分かりました」


翔父「そうか。じゃあ手筈を整えておく」


翔「はい」


何も言い返さずに…翔様は素直に頷いた。


翔様は…もう大野智との事は…諦めたのか。
見合い相手と会うという事は…。


私に聞く権利は無い。


しかし…翔様は…まだあの男の事を…。


どうするべきか。
しかし私に出来る事はない。
10年前のあの事を…どこまで翔様は知っているのか。
おそらく旦那様は…本当の真実は…話されてはいないだろう。


陽子様と…彼女の愛した…大野守の事を…。


私はただ…執事としての仕事を全うするしかなかった。
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