第1章 イケナイ授業
これで今日の特別授業を終わります―――
「福永先生、じゃあまた塾で…」
彼女を駅の近くまでおくって行くと繋いでいた手を離される
他の人に見つかるといけないから駅の近くまでって決めてる
『うん、ちゃんと勉強しておいてね笑
ほんと頑張ろう、成績上がってんだし』
入塾時と比べて彼女の数学の成績は上がった
俺にとってもそれは嬉しかった
「はいっ、ワーク進めとく」
バイバイする前に頭をなでる
ひかりは嬉しそうだった
本当は駅までおくってあげたいけど誰かに見つかるとマズイから、ごめんね
これが特別授業終わりの合図です
家に帰ると寂しくなります
もう少し一緒にいたかった
次の塾の授業の確認をする
…、ひかりの苦手なところのプリントコピーしといてあげようかな