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【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 赤葦京治との場合

第2章 欲張りは失恋のはじまり



「おい、なにボッとしてんだ」

「え、あ、う、うん」

「で、どれ?」

「あ、これ……」

さっき玄関で渡した宿題の紙を机の上に広げる。

「なんだ……これ? 泣きそうな顔してたからどんな難問かと思ったけど……」

「理系の京治にはこの難しさがわからないんだよ!」

数学はニガテ。

公式すら覚えられない。

だから、小さい頃から宿題やテスト前は京治のお世話になってきた。

部活もがっつりやってるくせに勉強もすごくできる京治には、きっと私の出来なさ具合が理解できないに違いない。

京治と私は……いろいろ、違う。

「でもまあ、赤点はマズいだろ」

「だってわからないんだもん!」

「わからないままほっておくからだろ」

「……」

淡々と事実を告げられると、何も言えない。

「じゃこの問題からな、……」

京治の説明はわかりやすい。

教えてもらいながら解いてくと、あっという間に全部終わり。

「すごい、できたよ……」

「おつかれさま」

横から私の手元を見てた京治がわずかに笑んだ。

反則だ、その薄い笑い顔。

いつもぎゅっと仕舞い込んでる好きって気持ちが暴れ出しそうになる。

「あ、ありがとう。助かりました」

珍しく敬語でぺこりと頭を下げると、

「なんだよ、急に他人行儀になって」

「だ、だって、考えればいきなりさっき電話かけて押しかけるって、まずかったかなぁと思って」

夏休みに入ってるとはいえ、京治は部活があっただろうし。

「来てからいうな」

「しょうがないでしょ、せっぱつまってたんだもん……」

補習から帰ってきて、速攻京治に電話して、とりあえず制服から着替えて来たのがさっき。

「でも丁度良かったじゃない、京治もなにか言いたいことあるって言ってなかった?」

「あ、……ああ」

なんか歯切れ悪いけど?

あれ、私が何かヘマした?

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