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【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 赤葦京治との場合

第1章 幼なじみは他人のはじまり



「木兎さんが、好きだって」

「え……」

「返事聞いて来いって言われた」

遠く、用具室の扉の陰に、誰かいた。

こっちを探るような視線。

木兎先輩だ。

そういうこと……

部活前に体育館に来てって、このことだったんだ。

京治からLINEなんて、最近滅多にないからちょっと嬉しかったのに……

「……私、なんて、言えばいいの?」

「木兎さんは……ちょっと大変な人だけど、根はいい人だから」

そういうこと訊いてるんじゃないのに。

思わず咎めるように見ると、

「別に今誰とも付き合ってるんじゃなければ、俺は、いいと思うけど」

京治はいつも謙虚。

押しつけがましくなく、導いてくれる。

それがテンプレート的だったとしても。

いつもそうだよね。

京治は私が望めば、答えをくれる。教えてくれる。

どっちがいいか。どうしたらいいか。

……私が本当に欲しい答えじゃなかったとしても。

たとえ、私が欲しい答えを知っていたとしても。

ねえ、横向いてないで、こっち見てよ。

私の目を見て、言ってよ。

そしたら、私……

「迷うなら……」

「え」

迷ってるなら、とめてくれる?

『迷うなら、やめろよ』って言ってくれる?

「迷うなら、少し考えてみればいいだろ」

「……」

「木兎さん、いい人だと思うし。ああ見えて、結構人気もある人だし」

知ってる。

高校バレーの世界じゃ日本で5本の指に入るアタッカーで、スポーツ雑誌や梟谷グループの広報誌にも出てるときがある。

梟谷じゃ知らない人はいない。

でも、木兎さんがどれだけすごいかなんて、私には、どうでもいいのに。

「木兎さんはすぐ結果出したい人だけど、今スグ返事くれなくてもいいって。少し待つから考えてくれって」

仄かに笑んだ顔が、初めて私を見てくれる。

……この顔。

めったに笑わない京治がたまに見せる笑んだ顔。

この顔、好き……




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