第20章 お菓子は目分量で作ってはいけない
『…んー。…朝か、起きなきゃ。』
完全に日が登り、寝室の窓からは眩しい明かりが差していた。朝ごはんの支度を始めるため天音は布団から起き上がりノロノロと寝室を出ようとする。ふと銀時の事を思い出し布団の方を見ると、そこには早朝にも関わらず珍しく銀時の姿はなかった。
『あれ、銀さんもう起きてるのかな?』
ソファーにでも座っているのだろうかと襖を開けてみれば、そこには誰のも姿も無く天音だけだった。風呂場やトイレに行ってみても何処にも銀時の姿は無く、突如不安に襲われた天音は急いで神楽を叩き起す。
『か、神楽ちゃん!!銀さんが!何処にも居ないんだけど!!』
神楽「…何アルか。そんな慌てる事でも無いアル…。」
『慌てるよ!だっていつも誰かが起こさないと起きないのに!!どうしたのかな…もしかして家出!?』
銀時「だーれが家出だコノヤロー!思春期の男の子ですか俺は!!」
天音が軽くパニックになっている間に銀時は散歩から戻り部屋に入ってきていた。銀時の気配に全く気付かなかった天音はある事ない事心配し、勿論その会話を銀時の耳にも入っていた。
『銀さん!どこ行ってたんですか!心配しましたよ!』
銀時「何処ってお前、俺ァ散歩にいってただけだって。」
そんな早くから散歩に行くなんてどうかしてしまったのかと天音に不安になるが、顔を見てみればいつもの銀時で昨日の様な表情や声の面影など何処にも無く一先ず安心した。