第19章 男の嫉妬ほど見苦しいものは無い
銀時side…
『銀さん、私鬼兵隊に入って高杉さんとこれからの人生共に過ごしていく事にしますね!』
「はぁ!?ちょっと待て待て!聞いてないんですけど!?」
『さようなら銀さん今までありがとうございます。』
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「待ちやがれェェェェ!!!」
あ、あれ?俺何してんだ?あれ?ここは、寝室、か?
「ゆ、夢かよ…胸糞悪ぃな、ったく。」
自分の叫び声で眠りから覚めた俺は夢だと知り安心感に浸る。昨日の今日であんな夢を見るなんてどれだけ余裕が無いのかとつくづく呆れる。チラッと横を見れば口を半開きにしてだらしない顔で寝てるコイツ。さっきの叫び声で眠りを刺激してしまったのか少し眉間に皺を寄せている。
『……ん〜。』
だがそれも一瞬の事でまた気持ち良さそうな顔で寝息を立て始めた。
「ふざけんじゃねぇっての。涎なんか垂らして爆睡しやがってコノヤロー。」
人の気も知らずにスヤスヤ眠る姿を見てれば少しモヤモヤしたから俺は布団から身を乗り出し手を伸ばし頬を抓って軽く引っ張ってやった。するとまた眉間に皺を寄せ始め途切れ途切れで言葉を出して唸っていた。
『……ばか、やろ、ぉぉ………すー……』
今馬鹿野郎って言った!?
「はぁ……散歩でも行くか……。」
このまま此所にいても込み上げてくるいろいろな感情を抑えつけて置くことが出来ないと思った俺は、太陽が少し出始めた薄暗い中一人で気晴らしに向かった。