第18章 休みの過ごし方は人それぞれ
『……んん……あれ…私……。』
真っ暗な部屋の中で聞こえるのは時計の規則的な音と銀時の寝息。神社で記憶が飛んでいる天音は一瞬今の状況を理解出来なかったが、徐々に思い出しきっと銀時がここまで運んでくれたのだろうと理解した。
『……銀さんありがとうございます。』
静かに呟き布団に戻ろうとすると寝ていたはずの銀時がモゾモゾと動き出しノロっと起き上がった。また起こしてしまったと思い天音は口を開けた事に後悔した。
銀時「…なに、起きてたのか。」
『ごめんなさい、また起こしちゃいました。』
銀時「あー、前にもそんな事あったな。」
銀時はそう言いながら大きい欠伸をする。その欠伸が天音にも移り欠伸が出る。銀時はその様子を眠たそうな目で見つめその視線に気づく。
『?? どうかしました?』
銀時「何もねぇよ。よし、寝るぞ。」
『そうですね、って、あっ、ちょっ。』
寝るぞと言う声と共に銀時は天音の腕を引きそのまま自らの布団の中へと潜り込ませた。突然の事に驚き天音は銀時の胸のあたりでバタバタと暴れるが、それを抑え込むように銀時は呟く。
銀時「んだよ、お前が居なくなったりすんなって言ったんだろうが。忘れたとか言わせねぇからな。」
『……意味が違います。』
銀時「うるせぇ。屁理屈言うな。いいから黙って寝ろ。」
屁理屈とは違うと心の中では思いながらもやはり居心地が良く安心しきりそんな事など忘れてしまい、最初は恥ずかしながらも徐々に受け入れ睡魔にすぐ襲われる。
『おやすみなさい…。』
銀時「ん。おやすみ。」