第1章 憂鬱、混乱、そして出逢い
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チュンチュン…
「………んー…。」
聞こえるのは鳥の鳴き声、木の間を通る心地のいい風の音。
あれ…私、こんな所で何してるんだろう。
てか今まで何してたんだっけ…。
何処にいるのか、何をしているのか、記憶から全て抜けていた。
何処かで頭でも打ったのだろうか、その時の私は何も思い出せなかった。
家に戻ろう。
反射的にそう思って、重い身体を無理矢理動かして歩き出す。
「ここって林?ホントに私何してんだろう…。
頭ボーッとする…。」
少し歩いただけでも酷い目眩がする。