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虹と花とキミ達と 2 《気象系》

第7章 ないしょ そう ナイショ


大野視点

 翔くんの背後から軽快なメロディーが聴こえてきた。


S「コーヒーができたね」
 翔くんが体を反転させた。


(あぁ
 せっかく俺らの独り占めだったのに…)


「そうだね」
自分の感情を抑えながら翔くんの横に近づく。



 翔くんが少し俺の方をみて、頬笑みコーヒーをマグカップに注ぎはじめる。


(ふふ…こうやって並ぶのもいいなぁ


 でも どうしよう…

 何か話をしないと間がもたない



 そのコーヒー)「ニノのだよね」
目の前にあるマグカップを指さす。


 翔くんの手が一瞬ピクッとしたけど、何事もなかったように「そうだよ」と冷静な返事が帰ってきた。


(あれ…何か良くないモノを引いちゃったかな…)


翔くんの行動を注意して見る。


 大きな黒目が小刻みに揺れている。


(考えてる…
 やっぱ なんか引っかかる事あるんだ…

 今から仕事なのに…


 はー どうして こうも 翔くんを困らせるかぁ…)


自分の行動に腹が立ちだす


(もっと こう ドシっと揺るがなく…)
理想の俺を想像しながら翔くんを見ていると、翔くんの太ももが揺れている。

(揺れてる? 電話かな?)


「翔くん?電話…」
翔くんに声をかける。

 翔くんは目と頬と口だけで百面相している。

(なんか可愛いけど、相手が困るよね)「翔くん!」
肩を叩いて俺の声を届ける。


S「へ?」
 百面相状態で変な声を出す翔くん。


(ぷっなにその顔 笑いそう)
笑いを堪えて「なってる」と声を絞り出す。



S「え? なってる?」
 同じ言葉を復唱してきたけど、イントネーションが違う。


(俺が言ったのは『鳴ってる』だよぉ? ほら ふともも!)
翔くんの太ももを指されす。


 翔くんが下を向き、あわててポケットに手を入れた。


(誰からだろう…翔くんの携帯に直接電話してくるヤツって…

 あ、天邪鬼に怒られる顔になりそうだ…
 ココから離れよう…)

「じゃ、これ ニノに運んでおくね」
翔くんの側にあったマグカップを持ってキッチンを出る。



(せっかくだから…ふふ 悪戯しちゃおぉ)


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