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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第7章 記憶の風景


櫻井視点

A「わーなんかすごいねぇー」
 雅紀が両手を大きく広げて、声をあげる。

青い空。赤い大地。そして、真っ直ぐに伸びる車道。

(風が吹いてる……)

 その道の両側に広がるパイナップル畑の葉が揺れている。
少し道が坂になっている。

 後ろから、レフ板を持ったスタッフ。
キャスターの付いた三脚に固定させた一眼レフを覗いているカメラマン。

(後ろ姿が欲しいの?別にいいけど…)

 潤と和がなにか話している。

 雅紀が今にも畑に飛び込みそうな勢いで走って行く。

 智くんは空を見上げながら、歩いていく。


 いつの間にか一番後ろになっていた。

 四人の背中を歩きながら、見ている。


A「あれ?もう撮影してるの?」
 レフ板の方を指さして声を出す雅紀。

スタッフ「はい。結構前から取ってますよ」

N「気づいてませんでしたか?
  結構ぉマジ顔していたので、撮影モードだと思ってましたよ?」
 驚いた顔のニノ。


A「え?マジ顔?そんなつもりないけど…カッコよかった?」
 ニノに近づいていく雅紀。


N「はー!なぜに、マジ顔がカッコよくなるんですか?」
 眉間にシワを寄せながら、不機嫌な顔のニノ。

 雅紀はニノからスルリと逃げ、智くんの方に行く。

A「嵐の相葉雅紀です」
 ピースの手を顔の前に出して、ポーズをとっている。


O「おお。アイドルだね」
 親指を立て笑う智くん。


M「何やってるのよ!」
 潤が笑いながら二人の間に割って入る。



「ははははは」
 スタッフたちが笑っている。



 一緒になって、笑っている自分がいる。

(あーなんか気持ちいい…仕事じゃなきゃよかったのに…)

 懐かしい風の匂いがする。

カメラマン「このアングルから!相葉くんと二宮さんお願いします」

A&N「「はーい」」

 チラッと写真を見てた二人は、自然に体を寄せ、ポーズをとる。


M「こんな感じのスナップ欲しいなって、思って……」
 その間に潤が、ムービースタッフに映像を見せて、追加の写真を注文している。

 完全に仕事モードで動いている三人。

カメラマン「櫻井くん。先に一人の写真取っておきますか?」

「はい。お願いします」
滞在時間が限られている。
(段取りよく撮影しないと、今日のリハ時間が削られる…)
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