第19章 独走と迷走の行先

櫻井視点

Ｍ「よし！謝罪は終わり！食べよう♪飲もう！」
　潤が智くんと雅紀の肩を叩いて、席に座るように誘導する。

（あ、あの…俺だけ、取り残されてます…）

　智くんの突然の告白。
　その告白を受け取る雅紀

雅紀一番の和也が、潤と一緒に祝福モード？


四人の行動が、俺には、わかりません


Ｍ「リーダー！挨拶♪」
　潤が笑顔で智くんのグラスを渡す。


Ｏ「あ、うん！」
　智くんがビールの入ったグラスを笑顔で受け取る。



（ねー智くん…雅紀がいいの？）


Ｏ「事前撮影と初日リハお疲れ様！明日からも頑張ろう♪」
　智くんがパッと笑顔になる。


（俺とも…いままで通り一緒にいてね…）


「「「「「かんぱーい」」」」」


グラスを高く上げ、軽く当て合いしてから、ビールを口にする。


（味なんか…ない…）


今の俺には、このビールは冷たい炭酸水位の感覚だ。


メンバーそれぞれ違うビールだから表情が違う。

Ａ「あーーうまい！」


Ｍ「地ビールって言うからどんなのかなって思ったけど…イケル」
　ジッとビールを見ている潤。

Ｏ「そうだねぇジュースみたい」
　笑顔の智くん。

（潤が智くんと普通に話している…）


Ａ「ね♪翔ちゃん！」
　雅紀が嬉しそうな顔を俺に向ける。

（あ゛なんだよ。喧嘩売る気か！

　そりゃぁビールがうまいよな！
　智くんのハグと告白貰ったんだからさ！）

味の無い炭酸水を再び飲み、心の言葉を押し黙らす。


眉間にシワが寄る和也。
Ｎ「俺はいつものがいいかなぁ…」

Ｏ「そう？いいんじゃない？せっかくのハワイなんだし…」
　グラスを口につけた状態でニコッと笑う。


（ニノの機嫌代わらない…公認ってこと？

　ま…俺は…まだ、納得…してな…い

　でも、智くんの選んだ道を、俺が…）


Ａ「大ちゃんのも飲んでみたい！」
　雅紀が笑顔で智くんの飲んでいるグラスに手を伸ばす。

Ｏ「いいよ！！」
　智くんもグラスを渡そうとする。


（早速ラブラブですか！）

そんな二人を見たくなくて、グラスに入っているビールを一気に飲み干す。


タン！
　グラスを勢いよくテーブルに置く。

Ａ「飲み比べするんだから、全部飲んだらダメだよ！」
　ふくれ顔で俺に近づく雅紀。


（あ゛俺のビール飲んで何が悪い！）