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暮れる夕日

第3章 初めての人


そんなひょんな出会いから私達は仲良くなった


「おはよぉ高城君!」

ポンッと背中を叩く

「お、おうっ」

少し長めの前髪をさらりと揺らして
高城君は笑った

「あのさ・・・」

「なに?」

高城君は少し戸惑ったような声で話かける

「なに?どうしたの?」

不審な顔を向けると彼は
フッと笑って

「ここ」
そういって自分の口元を指さした
「なに?」
私はますます不審になる

「朝食なに食べた?」
笑いを我慢した声で聞いてくる

「だからなに!?教えてよ!・・・・・・あぁっ!!!」

ようやく私は気が付いて一気に恥ずかしくなる

口元にケチャップがついていたんだ・・・

「もぉ!高城の馬鹿!酷いよぉお」

泣き声で責める

「ごめんごめん」
彼は笑いながら言った





放課後、教室で必然的に居残りになった私に、高城君は会いに来てくれた。


「どぉ?課題は」

のんきに言う高城君・・・少し憎たらしい

「・・・っ」
苛々しながら課題を済ませていく

「・・・小夜」

ピクっと動きが止まる。

初めてだった・・・

そう、彼が・・・高城君が

異性が私の事を名前で呼んでくれたことが




初めてだった。

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