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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第5章 家族


ー雅紀sideー


「やば…緊張してきた」


エレベーターに乗り込み、俺は深呼吸をした。


翔「大丈夫?」


翔は心配そうに俺を見上げた。


「緊張で吐きそう…」


翔「大丈夫だよ。雅紀なら…きっと舞も気に入るから」


「そう、かな…」


翔「緊張解すおまじないしてあげる」


「おまじない?」


聞き返したと同時に、翔が背伸びをして俺の肩に手を置いた。


「しょ…」


そのまま唇が重なる。
翔の舌が俺の口内を遊ぶ。
やば…翔キス上手い…。
俺は翔を支えながら、されるがままになった。


チン、という音と同時に扉が開き、唇が離れる。


翔「緊張解れた?」


「う、うん…」


翔「行こ?」


翔がにっこり微笑みながら手を握り、エレベーターを出る。


本当…小悪魔だな。


翔「一番奥が舞の部屋」


そのまま俺達は奥の病室に向かった。


今日、翔の妹・舞ちゃんに会いに彼女が入院している病院に2人でやって来た。


受け入れてもらえるだろうか…。
俺は緊張に押し潰されそうだった。


翔「舞」


一人部屋の病室に入ると、ベッドの上で本を読む少女の姿があった。


舞「お兄ちゃん!」


ベッドを降り、翔に駆け寄ると翔に抱き上げられる。


翔「ごめんな昨日来れなくて。良い子にしてたか?」


舞「うん!」


勢いよく微笑みながら、ふと俺の方に視線が移る。


「こ、こんにちは…」


翔「舞。お兄ちゃんの友達だよ」


「相葉雅紀です。舞ちゃんよろしく」


無言でジッと俺を見つめる。


翔「舞?」


舞「お兄ちゃんの彼氏?」


「え…」


舞「あ、赤くなった」


俺を見て楽しそうに笑う。
翔によく似た笑顔。


翔「まぁ…当たりだな。兄ちゃんの彼氏だ。イケメンだろ?」


舞「うん。背も高いし…合格!」


翔が舞ちゃんを降ろすと俺の前に立ち、手を差し伸ばす。


舞「よろしくまー君」


「ま、まー君?」


舞「雅紀だからまー君。駄目?」


「ぜ、全然…!よろしく舞ちゃん」


俺は差し出されたその小さな手を俺は握り返した。
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