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Starlight Kiss【気象系BL小説】

第10章 対面


ー雅紀sideー


「疲れたー…」


深夜。
工事現場でクタクタになった身体を引きずりながら俺は翔の待つ自宅へと戻ってきた。


「翔…帰ってるかな」


夕べうちに帰らなかった翔。
何度も電話したけれど…応答する事は無かった。


何かあったのか。
店に電話したら…『風邪で休む』と連絡があったと言われた。


翔…何処に居るんだ。


玄関を開けると…そこには揃えて並ぶ翔の靴。


「翔…?」


俺は疲れたのも忘れ、中へと走った。


「翔…翔!」


リビングに翔の姿は無く、シンと静まり返っている。


「翔!!」


寝てるのか?


寝室に向かおうとリビングを出た時、バスルームからシャワーの音が耳に入る。


「翔!」


脱衣場から思いきりバスルームの扉を開く。


すると驚いた顔の翔が身体を隠しながら振り返った。


「………良かった…」


俺はバスルームに入り、翔を抱き締めた。


翔「ま、雅紀…服濡れる…!」


「洗うから平気…良かった…戻ってきて…」


翔「………」


「………何処に行ってたんだよ…連絡も無しに…」


少し身体を離し、翔を見つめると切なそうな目で俺を見ていた。


翔「………熱出て…帰る途中で倒れたの」


「え!?」


翔「にのが居たから…そのままにのの家が近くて…看病してもらって…携帯バイブにしてて…熱で朦朧としてたから連絡出来なくて…本当に…ごめんなさい」


「にのって後輩の…?………それで…もう下がったの?」


翔「うん…でも…お客さんにうつしちゃいけないから何日か大事取って休むようにって」


「………そっ、か…」


翔「ごめんなさい…本当に…ごめんなさい…」


シャワーの中…翔の瞳からも涙が溢れていた。


翔「ごめんなさい…早く戻りたかったのに出来なくて…雅紀…逢いたかった…ごめんなさい…」


「もういいから」


俺はその身体を強く抱き締めた。


きっと…翔は嘘を付いてる。
翔の涙は…俺への謝罪。
そして…一瞬俺の目に入った背中のキスマーク…。


「翔が無事で良かった」


でも翔は…今俺の腕の中に居る。
これ以上は追求しない。
追求すると…後悔しそうなきがするから。


シャワーを浴びながら…俺はいつまでも翔を抱き締めていた。
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