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As well be hanged for .....

第11章 裏切りは手に 真実は足に 前篇




ウリエの姉、リエラの葬儀はあっさりと。
唐突な姉の死は誰にも伝えられることなく、ウリエ、シエル、セバスチャンの三人だけの質素なものに終わった。

それから大きな事件もなく、ただ悶々と日々が過ぎる。
誘拐事件以降「義足の男」の音沙汰もなく、エドガーからも特に有益な情報は入ってこなかった。

ウリエは芯が抜かれてしまったように、よくエアコンの効いた涼しい部屋からぼーっと庭を眺める毎日。
時折、「義足の男」のファイルや、姉リエラの事がかかれたファイルを引っ張りだして睨めっこをしている。

あれから女王からのコンタクトもなく、こちらから真意を問いただす事もしていない。今後も女王の番犬として女王の足元に頭を垂れるかは保留のようだ。

シエルとセバスチャンも特にはつつくことをせず、ウリエの様子を見守るばかり。
シエルは悪魔になって出来る事が増え、鋭くなった視覚嗅覚を時折試して遊ぶ。
そのおかげなのか、ゲームではさらに負け無しだ。

セバスチャンはときどき、シエルの〝食事″の事を気にかけ話を促すが、彼は一言「待つ」とだけ言う。
やきもきしている訳ではないかったが、今までやむ事のなかった戦争が、ピタリと休戦状態に入っている事が妙に落ち着かない。
だからと言って、はしたなく喧嘩しろ。と言うわけでもない。



どうにもこのタウンハウスの時間は、外界と切り離され、もったりと進んでいるようだった。



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