As well be hanged for .....
第8章 閑話休題
自分はあの時何もできなかった。といっそのこと白状しようと思ったが、プライドが邪魔して中々出てこない。
ぱくぱくと出てこない言葉を無理やり捻りだそうとしていると、セバスチャンがにっこりと笑って口を挟む。
「お嬢様。もう二度とぼっちゃんを悲しませるような事は慎んでくださいね。」
「うん、わかったわ。今回は私が悪かった。」
ごめんねシエル。と言いながら、ウリエはシエルの頬に、ちゅ。とフレンチキスを送る。
かぁああ!と顔を赤くするシエルに、セバスチャンはコソっと耳打ち。
「(先ほどのお嬢様は、潜在意識の表れだったようですねぇ)」
「(だまれ変態執事!)」
ぶん!とセバスチャンに向けて拳を振るうシエルをウリエは不思議そうに見つめていた。
セバスチャンはクスクスと笑って、その場に居直る。
「では、ちょっと遅いですが、アフタヌーンティの準備をして参りますね。」
ウリエは彼を笑顔で送り出し、シエルは仏頂面のままぷいと顔を逸らす。
「ちっとも怖いと思わなかったのは、きっとシエルが側にいてくれたからね。」
「はぁ…本当に大変だったんだ、もう無茶はするな。」
「はぁい。」
マインドコントロールなんてもうこりごりだ。
「猫になったお嬢様は結構良かったと思いますけどねぇ。」
「私…猫になってたの?」
「よせ、その時の話はするな!」
「その後は、鳥になったり…」
「やめろ―――っ!!!」
(閑話休題)