As well be hanged for .....
第17章 成果は舞台に 喜劇は皿に 後篇
ウリエの前に立ったのは、瞳に似た色を宿した男。
真実は覆され、闇に消え。
その闇から目を背けたくなるような、事実が生まれる。
その男の名は、ファシル・フェンベルグ。
「父だった。と言うべきだわ。」
「おいおい。幽霊じゃないぞ。本物だ。」
「この際、幽霊だろうが悪霊だろうが何だろうが関係ないの。」
父を目の前にして、少しは笑顔になれるかとも思った。
しかし、実際に目の前にしてみれば湧きあがるのは怒りのみ。
強い意志で口を固く閉じていないと、いろんな言葉が飛び出て来てしまいそうだった。
貴方が死ななければ、私と姉は子犬のまま番犬になる事はなかった。
姉が消える事もなかった。
悪魔と契約する事もなかった。
母が人質に取られる事もなかった。
もっと言えば、足をやけどする事もなかった。
「聞きたい事は一つだけ。」
「奇遇だ。私も聞きたい事は一つ。」
レディファーストでいこう。と紳士的にウリエに先を譲るファシル。
ウリエは大きく息を吸って、呼吸を整える。