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いつも貴方がいた【気象系BL】

第28章 船出



〔櫻井side〕

俺はこのロケで、ひとつの『けじめ』を
用意していた。

そして、今....それを二ノに
伝えようと思っていた。

俺は、二ノを抱えてバスルームに向かった。

ふたりで身体を洗い、
二ノの頭を洗ってやる。

二ノは恥ずかしそうにしながらも、
俺に身を任せている。

...........


シャワーを終えた俺たちは、
白いバスローブだけを纏って部屋に戻った。

.........

大きな窓からは、人気のなくなった
夢の国が、静かな光を放っていた。

「カズ...こっち来いよ...」

俺の言葉に、無言で近づいてきた彼は、
俺の横まで来て立ち止まり、
黙ったまま俺の次の言葉を待っている。

「.....カズ。これ....」

俺はバッグから小さな箱を取り出して、
二ノに差し出した。

二「....なに?」

俺から受け取ると、そっとふたを開けて、
驚いた顔をして俺を見た。

...........


そう。中には、ペアのリング。

この企画があるのが分かってから、
俺がこっそり用意したもの。

その一つを取り、二ノの指に填める。

........もちろん、左の薬指。

二ノは、じっとその場所にすっきりと
収まったプラチナを見た....

「一緒に、生きてこう....っつたけど、
あの気持ちは、変わらないから...

それから.....一緒に暮らそう。」

二「翔....!!」

「渋谷にさ....いいのがあるんだ...
今度、見に行こうよ、...一緒に。」

俺を見つめる二ノの瞳には、
パークの夜景が映りこんで、
すごく綺麗だった...

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