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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第18章 Will never let you go…


大野side

東京に着いたのは早朝4時。

おいらは結局、一睡も出来なかった。

別に着いてからしばらくは仕事もない。

だから…。

鞄に忍ばせたピルケースを
開く必要もなかった。

限界がくれば嫌でも眠れるし…。

みんなと交わした緑のアイコンのアプリが
映す画面をずっとみてた。

そこにある当たり前がすごく愛しくて…
いまのおいらにはすごく遠い。


みんなとの物理的な距離が
そのまま心理的な距離にならないようにと
願いながらずっと動かない画面を見ていた。

しばらく滞在することになるホテル。
おいらのマネージャーが鍵を取りに行った。

長期滞在者用に別棟を用意しているホテル。

その棟は下の階はオフィスになっている。

オフィス用のエレベーターとは
別になっているので一般の人と
会うこともないらしい。

鍵をもったマネージャーが迎えにきて
おいらはそのうしろを着いていく。

ドナドナってこんな気分なのかなって
思ったらなんだか少し笑えてきた。


マ:「大野さん?どうかしましたか?」


笑い声が聞こえたのか、
不思議そうに声を掛けられた。


「ごめん、なんでもない」


マ:「それならいいですが…。

  あ、ここです」


部屋に着いたのか
マネージャーの足が止まった。


「うん、ありがとう」


そう言って開かれた扉に身を滑り込ませた。
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