第17章 キスでつたわるあいことば@赤葦京治
「なぁ、キスする場所によって意味が違うって知ってるか?」
マネの仕事がひと段落ついたので少し休憩していると、すぐ近くで黒尾さんの声がした。
見ると、黒尾さんだけでなく木兎さんや月島くんも居た。
「マジか!」
「初耳です」
「黒尾!教えろ!!」
「へいよ。まず…あ、美心ちゃん」
「あの、その話気になって…いいですか?」
想いが通じたあの日、京治くんにキスされた…髪の毛。
もしかしたら、その意味が分かるかもしれない。
「勿論。じゃあ行くぞ。
まずは、唇。意味は"愛情"、『貴方を愛している』」
「「おお…」」
木兎さんと感嘆の声を上げる。なんだか大人な感じがした。
「胸へのキスは“所有”、『貴方は私だけのもの』」
「おお…!」
「なんだか…世界が違いますね…」
少し眩しいような気もする。
でも、いつか京治くんとそんな風になれたらな…なんて思ってる。
「他に、同じ手でも意味が細かく分かれてたりするな。
手の甲は“敬愛”、指先は“賞賛”、掌は“懇願”……とかな」
「やけに詳しいですネ。彼女いる訳でもないのに」
「ツツツツツッキー?何を言っているのカナ??」
確かに詳しい。
もしかしたら、『あれ』も知ってるのかな?