第13章 目覚め
「ん……」
目を覚ますとそこはベッドの上だった。
見覚えのない天井に質素でシンプルな部屋が目に飛び込む。
ここはどこだっけ…
記憶をひとつひとつ思い出していく。
「深琴くんのデートに付き合って…」
事の発端がまずそれだ。
「拓に会って…」
そう、確かそこには誠もいて……。
「!?」
緻密に思い出していくと先程の行為も自然と思い出されてしまうわけで。
私は頬が熱を持つのを感じながらわたわたと何をするでもなく側にあったシーツをぎゅ、と握り締めた。
そうか…ここは拓の家ー…。
そう自覚した時、ぱたん、と扉が開く音がした。
「!」
誠「あ、起きた?…ごめん。無理、させたね」
誠がいたわるように私のそばまで来た。