第5章 2次試験・前編

「さて、どいつから喰ろうてやるかの。

どれも旨そうじゃ」


男か女か迷うのぅ、と愉しそうに口を開く。


刹那、大蛇の黄色の瞳が私を捉えた。


「女に決めたわいっ」


口を開け、叫びながら突進して来るではないか。


「！」


大蛇の大きく開かれた口からは鋭い牙が覗いていた。


残りの蛇はシャルナークさんとクロロさんを狙っている。


「っ…ぅ…」


刀を抜き、後ろに身体を逸らすことで咬まれることこそ凌いだが。


思っていた以上に勢いや力が強く、そのまま数メートル後ろに押されてしまった。


「ほぅ…なかなかやるのぅ。

ならばこれならどうじゃ」


私から離れ、体勢を立て直している。


もしかすると更に勢いをつけて攻撃するつもりなのかもしれない。