第5章 2次試験・前編

「なるほどな。

それは考えてなかった。

どうしてそう思う？」


「木を見れば分かります」


「木を？」


「この木は特殊な木で現在の日時が分かるようになっているんですよ。

ある程度の知識があれば現在が何時かなどはすぐに分かります」


「…それで今は何時だ？」


「大体そうですね…夜の9時ぐらいだと思います。

流石に分刻みまでは分かりませんでした」


「なるほどね。

試験開始が午前9時。

2次試験開始が午前11時。

夏のところを抜けてジャングルに入ったのがその数分後だとすると…」


「ジャングルに入ってからの体感時間と実際に経過した時間は異なっているな」


「恐らく外の倍の時間だと思いますよ。

外では5時間程度が経過し、ここでは10時間経過していると思います」


この感覚からすると使われたのは私の成長促進剤だろう。


それになんらかの加工を加え、この空間全域に使ったのだとすると納得がいく。