第5章 2次試験・前編

「よっと」


３つの実を手にしたまま木から飛び降りると、華麗に着地した。


「はい。団長、リア」


「あぁ」


「あ、ありがとう…ございます」


「しかしこれは、どうして飲むものだ？」


見慣れぬ木の実を四方から観察している。


「1番効率が良いのは穴を開けることですね。

割っても良いのですが、それでは中身が溢れてしまう可能性がありますから」


むしろその可能性の方が高い。


「じゃ、それも俺に任せて」


そう言うと懐から針、いやアンテナを取り出したシャルナークさん。


やはりと言うべきか、念能力者なのか。


アンテナを使うということは典型的な操作系能力者だろう。