第5章 2次試験・前編

「なるほど…面白い。

変わっているな」


地図を広げ、わずかに口角を上げた。


「何が？」


「この地図と会場までの道順が、だ」


歩みを止め、地図を凝視している。


「歩きながら考えられないんだよ、団長は」


どんな感じに？と、苦笑しつつも耳を傾けているシャルナークさん。


「この地図は会場の場所といくつかの道が記されているだけだ。

どこを通るのが効率的か書かれていない」


「つまり好きな道を選べ、そういうことですね」


「そうなるな。

だが1番面白いのは選ぶ道によって気候や地形が違うというところだ」


「「…え？」」


クロロさんの言葉に思わず固まってしまう。


気候や地形が違う？


そんなバカなことがあるのだろうか。