【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第28章 内緒の涙
「リアのこと無神経に傷つけた。
冷静に考えたら、リアが拒んでいたことなんて気づけた筈だし…。
目がこんなになるまで泣かせて…。
それで好きだなんて…呆れちゃうよね」
目元の涙を拭ってくれる。
「私の方こそ…ごめんなさい。
本気で拒否すれば逃げ出せたかもしれないのに…」
殺して逃げ出すことを躊躇っている自分が居た。
「あいつと何があったかは聞かない。
もうリアを傷つけたくないから」
フワッと優しく抱きしめられる。
この温もり…。
シャルの体温は、優しい言葉は私の心を落ち着かせる。
シャル…好きですよ。
ポツリと小さく呟いた方は、風に飲まれて消えて行く。
「シャル…」
「ん?」
「こんな私を…まだ好きで居てくれますか…?」
キュッと背中に手を回し、尋ねる。