第20章 暴走

「リア〜。

一緒に買い物行かない？

あたしちょっと買いたいものがあるんだ」


「良いですよ、私も特に予定はないので」


「ホント？やった」


約束だからね、と無邪気に笑うシズクさん。


可愛い。


「お昼ご飯と、下着屋さんと、宝石店と、あとはお花屋さん行こうね！」


「楽しそうですね」


どれも女の子って感じのラインナップだ。


「し、下っ…」


「シャルのむっつり。

スケベ、変態」


「マ、マチ！」


「ほらほら、行こ？」


「あっ、ええ」


私の背中を押して、半ば強引にアジトをあとにする。


「まるで風みたいだね」


呆れたように息を吐いたマチ。


「シャル」


珍しくフェイタンが口を開いた。


決して無口な訳ではないが、あまり進んで話さないフェイにしては珍しいことなのだ。


自分から話しかけるということは。


「どうしたの？」


そんな彼なだけに、俺だけでなく周りも少し驚く。