第8章 3次試験

10点であるヒョウ以外の弱点はおおよその検討がついている。


そんなことより1番気になるのは…。


「…見られてる」


尾行、もしくは監視されていること。


しかも相当の手練れだ。


どこから見られているのか、向こうに人数、それらを全く悟らせない。


見られているのに対しても、恐らくとしか言いようがない。


根拠のない勘なのだ。


誰がなんの為に…。


点数を奪うことが目的という線は薄いと思う。


これ程の手練れならば人のものを奪うよりも自分で狩った方が遥かに効率が良い筈。


どうして私をつける必要があるのか。


1、2次試験共に目立つような行動はしていない筈。



点数を奪うことが目的なのか。

何か気になる点があるのか。

はたまたもっと別の目的があるからなのか。


今現在ではそれを判断するに値する程の証拠はない。


下手に判断すれば揚げ足すらも取られ兼ねない。


ここは気づかないフリをしてさりげなく警戒しつつ、隙を見て始末する。


それしか有効な手は思いつかない。