第1章 彼氏いない歴
彼氏いない歴=年齢の私、緒方紫音。
今日は家から近いバーに入った。
ビールもワインも苦手。さっきからカクテルばっかり。
「付き合ってどーすんのー。ベタベタするの好きじゃないし、人前でイチャつける人達って逆に尊敬するわ。」
飲みすぎて語り出した紫音。バーテンダーに絡み始めた。
「聞いてくださいよー。この前人が目の前に座ってんのにおでここすり合わせてイチャつき始めてんの!意味わかんない。家でやれっての!」
バーテンダー「公共の場でやりすぎは良くないですよね」
「ですよねーわかります?!まあ私なんて年齢=だからもう慣れてるけど、やっぱムカつくわー」
バーテンダー「もうカラですね。次何にしましょうか?」
「もう一杯、同じのでー」
バーテンダー「かしこまりました。」
お酒は強い方だがカクテルでも強めを飲んでいたため、もうベロベロの紫音。
すると一人の男性が来店し、紫音の2つ隣の席に腰をかける。
『すみません、いつもので』
バーテンダー「かしこまりました。」
ほぼ毎日来ているため いつもの で通じる。
『あの子、初めて見るなー』
バーテンダー「初めて来店された方です。家が近いから寄ってみたと、おっしゃってました。」
『へえ、かなり飲んでるみたいだけど?』
バーテンダー「ええ、さっきから同じカクテルばかり飲んでいらっしゃってます。強めのカクテルなので…」
『そうなんだ。…絡まれたでしょ?』
バーテンダー「よくお分かりに。目の前でイチャつかれたそうで怒っていらっしゃいました。」
『おーおーそれはそれは。若いねー、でもその気持ちわかるなー俺も昔そんなんだった』
バーテンダー「え、そうなんですか?てっきりモテてモテてしょうがないものかと…」
『そんなわけないだろ、これだよ?だから今もこうして独り身なんだよ』
バーテンダー「私が女性なら惚れちゃいますけどね」
『またー俺を好きになるなんてないない。…さっきからあの子面白いな。おじさん、声かけちゃおうかな』
バーテンダー「もうずーっと同じこと繰り返してますね。ああ、隣の方に絡もうとしていらっしゃいますよ」
『あーすごい迷惑そうな顔されてる。あ、避けられちゃったみたいだ
あのーよかったらお話聞きましょうか?』
ここから始まる二人の話。