第2章 second

「一目惚れ、だったんです。」


苦笑いしながら気まずそうに呟かれた言葉。


「一目惚れ？」


信じられないとでも言うようにたっつぁんが聞き返すとはい、と笑った。


「烏養さん、見た目はちょっと怖いけど、バレーやってる時の真剣な顔とか時々見せる子供っぽい笑顔とか、そうゆうの見た瞬間『すきっ！』ってなっちゃって。」


変ですかね？なんて聞き返す優稀ちゃんは正しく恋する女の子。


なんだよ繋心。すげーいい娘じゃん。


「烏養さんには今のところ全敗ですけどね。」


の割に凄く楽しそうな顔してるし。やっぱ若いっていいな。


「優稀ちゃんならきっと大丈夫だよ。繋心だって優稀ちゃんの良いところちゃんと分かってるだろうし、めげないで頑張りな。」



酔っぱらいのおっさんの言ったことなんてアテになんないか。でもね、優稀ちゃんならアイツから繋心のこと開放してあげれると思うんだよね。



過去(アイツ)に縛られる繋心とか、もう見たくないんだ。