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第9章 狂った世界。


授業中、私はふと窓の外を見た。

陽くんのクラスが体育の授業をしており、
陽くんはサッカーをしていた。

とても元気でニコニコ笑ういつもの陽くんだった。

なんだか少し安心した。

そして、ふと、校門の方へ目が向いた。
誰かが立っている…

あれは…

「蘭丸さん!?」

私は思わず声を出し立ち上がってしまった。
全員の視線が私に刺さる。

「なんだ、桐谷?」

先生が眉間にシワを寄せ、私を睨みつけた。

「あ…いや、すいません。何も…ないです…。」
私は恥ずかしくなり、すぐに座った。

それから授業が終わるまでたまに眺めていたが、
蘭丸さんは校門の前をずっとうろうろしていた。

昼休みになると、
私はすぐにカバンを持った。

「雛ちゃん?」
乃亜が不思議そうに私に駆け寄った。

「ごめん!乃亜!具合悪いから早退するね!先生にもそう言っといて!」

そう言って私は教室を飛び出し、
校門へと向かった。

相変わらず、蘭丸さんはウロウロとしていた。

「蘭丸さんっ!」

私がそう呼ぶと、
蘭丸さんはこちらへ戻ってきた。

「おぉ!雛っぴ!きっとここの学校だと思ってたよ!」
蘭丸さんは嬉しそうに私に駆け寄った。

「もうっ、何やってるんですか!」

「おう!雛っぴに話があったんだが、連絡先を知らなかったんでな。多分ここの学生だろうと思ってここに来た。…通報されないかってヒヤヒヤしたぜ。」

蘭丸さんはヘラヘラ笑いながら、
私の手を引き、歩きはじめた。

「あ、あの。」

「あぁ、ちょっと来てほしい所があるんだ。」

私は手を引かれるまま、
蘭丸さんの後ろ姿を眺めていた。

金色のピアスが太陽に反射して
少し眩しかった。







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