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天剣は春色を映して

第3章 第三章


数分揺られて宗次郎が止まった。


「うっ・・・・・・」
私は口元を押さえた。


「大丈夫ですか?時音さん」


「うん・・・・・・大丈夫」


「あの男性が居た辺りから八里走ってきました。医者はこの辺りに居るはずです。聞き込みしますね」
宗次郎が私を降ろした。
そして歩き出した。
私も宗次郎の後をついて行く。


「たのもう!!」
宗次郎が近くの一軒家の玄関をノックした。


「はーい」
30歳くらいの女性が顔を出した。


「お伺いしたい事がありまして・・・・・・藤宮医師はどこにおられるかご存知ですか?」
宗次郎がその女性に訊いた。


「藤宮先生ならあそこに赤茶色の屋根が見えるでしょう?そこに居らっしゃるよ」
その女性が赤茶色の屋根の家を指差した。


「ありがとうございます!」
宗次郎が笑顔でお辞儀した。


「ありがとうございます」
私もお辞儀した。


「本当にありがとうございます。では藤宮医師の元へ行って参ります」
宗次郎が歩き出した。

「行ってらっしゃい」
女性が手を振った。

宗次郎も軽く手を振る。
私は宗次郎の後をついて歩いた。


「良かったですね時音さん。体の痛み、もう少しの辛抱ですからね」
宗次郎が私に微笑む。


「・・・・・・ありがとう」
宗次郎の笑顔を見るとドキドキして照れてしまう。
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