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天剣は春色を映して

第2章 第二章


「毎度ありがとうございます」
店の女性が大福と桜餅2つを私達に手渡してくれた。


わぁ・・・・・・お皿に乗ってるんだ。
なんか明治時代って感じがして新鮮。


「ありがとうございます。時音さん、いただきましょう」
宗次郎が外へ出ていく。


「えっ?」
私は宗次郎を追いかけた。


宗次郎は微笑んで店の前にある赤い腰掛ける所へ手を差し出して、
「お座りください」
と言った。


わぁ・・・・・・ここに宗次郎と並んで座るの?
なんだかとても嬉しい!


「ありがとう」
私は赤い腰掛ける所に座った。
宗次郎も隣に座った。


「いただきます」
宗次郎が桜餅を頬張った。


「美味ですね」
宗次郎がにこにこ幸せそうに桜餅を食べる。


私も大福を頬張った。


――!!
美味しい――!!


この時代の大福ってこんなに美味しいの!?


それとも――宗次郎と一緒だからこんなに美味しく感じるのかな・・・・・・。


私は宗次郎を見つめていた。


「?」
宗次郎が私の視線に気づいて、何?って感じで私の顔を見る。


心臓がとくんとくんと脈を打つ。


「あ、そうそう、こちらの桜餅は時音さんのぶんです」
宗次郎が私に桜餅の乗ったお皿を差し出した。


「・・・・・・えっ?」


「どうぞ」


「えっ、もらっていいの!?」
驚いた。
宗次郎、最初から私にプレゼントするつもりでこの桜餅を・・・・・・!?


やばい幸せすぎて死にそう!


「宗次郎食べて。私よりお腹すいているでしょ?」


「僕なら平気ですよ」
宗次郎が微笑む。


「・・・・・・本当にもらっていいの?」


「もちろんです」


「・・・・・・やっぱり宗次郎に食べて欲しい」


「時音さんに差し上げたいのです」


「・・・・・・ありがとう。でも無理してない?」


「してませんよ」
宗次郎が微笑む。


「じゃあ・・・・・・本当にごめん!お言葉に甘えていただきます」
本当に申し訳ない気持ちでいっぱい!!


私は桜餅を手に取った。
日の光を浴びてキラキラ少し光っている桜餅。


「ありがとう・・・・・・宗次郎」


宗次郎がにこっと微笑んだ。
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