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天剣は春色を映して

第2章 第二章


「ご馳走様でした!」
とても美味しかった。宗次郎の作ってくれた茹でたぜんまいとなづな。


「美味しかったですか?」


「うん!とても!ありがとう!!」


「いえいえ・・・・・・では・・・・・・行きますか、麓へ」


「あ、うん」


宗次郎が焚き火に雪を被せ、消火した。


木漏れ日が宗次郎の髪を輝かす。


宗次郎って本当に美しい・・・・・・。


「行きますよ」
宗次郎が私に微笑んで私を抱き上げた。


・・・・・・ドキドキする・・・・・・。


「しっかり掴まっていてくださいね」
宗次郎が至近距離で私に言う。


わぁ・・・・・・宗次郎・・・・・・肌白くて綺麗・・・・・・。
宗次郎の頬を見てそう思った。


触れたい・・・・・・唇で・・・・・・。


ダメだよ・・・・・・。
そんな関係じゃないじゃん・・・・・・私達・・・・・・。


いつに・・・・・・なったら・・・・・・宗次郎の頬に唇で触れていいんだろう・・・・・・?


「どうかしましたか?」


「えっ?ううん!」
宗次郎とこんな至近距離で目が・・・・・・!!目が合って・・・・・・!!


私は恥ずかしくなって目をそらした。


「・・・・・・・・・・・・」
宗次郎が少し黙った。


どうしたの・・・・・・?


「・・・・・・では行きますね」
宗次郎が低く屈んだ。


私は目をギュッと瞑って宗次郎の首に強く抱きついた。


宗次郎が地面を蹴った。


う・・・・・・わっ!!


高速で風が体に叩きつけてくる。
痛いっ。


宙を・・・・・・舞っているんだ・・・・・・。


でも不思議と怖くなかった。


触れる手から宗次郎の首筋の温もりを感じるからかな・・・・・・?


安心感に包まれた。
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