第1章 第一章
「かと言って・・・・・・早く医者に診てもらわないといけないからそんなに休んではいられませんが・・・・・・どうします?朝食を摂ったらすぐ医者に行きますか?僕は時音さんを放っておけない。元気になってほしいですし早く医者に診てもらいたい」
「うん・・・・・・医者・・・・・・行く」
「解りました」
「あっ・・・・・・宗次郎・・・・・・お金持ってるの?医者の診療費高いでしょう?」
「大丈夫ですよ。あとふた月ほど生きられるくらいの金銭所持していますから。何の心配も要りません」
「・・・・・・本当にごめんね・・・・・・」
「なぜ謝るんです?」
「私、宗次郎に出会ってから宗次郎に迷惑かけてばっかり・・・・・・」
「迷惑なんかじゃないですよ。時音さんと出会えて良かったです」
宗次郎が腕に力を込める。
ドックンッ・・・・・・ドックンッ
私の鼓動が高鳴る。
「宗次郎・・・・・・もう・・・・・・離れていいよ・・・・・・そのっ・・・・・・」
「気持ち落ち着きましたか?」
「うん。は・・・・・・恥ずかしいし・・・・・・。ありがとう宗次郎」
「いいえ」
宗次郎がゆっくり私から離れた。
・・・・・・宗次郎の力の強さが、抱きしめられた余韻がまだ残ってる・・・・・・。
私はぽぉ~っと宙を見つめていた。
「朝食、これだけでは足りませんから、店が開く時間になったら何か食べ物を買いましょう。時音さんはどんな食べ物がお好きですか?」
「私・・・・・・?私は・・・・・・」
明治時代って私が元居た平成とあまり食文化違わないっけ・・・・・・?
「なんでもいいよ。なんでも食べれる」
「解りました」
宗次郎がにっこり微笑む。