第3章 桜散る
「確か…霧野 綾人って言ってたかな。入学式で挨拶してたから、トップだったのかな?」
頭いいんだ…じゃなくて、もし、莉奈に目付けられたら危ない。
血とか吸われちゃったらどうしよう…
「な、なんか、変な人じゃなかった?」
「なに言ってるの、あの時と同じだったよ」
莉奈は、変なのは千夜だよ、と笑いながら言う。
その人は吸血鬼なの!とか言っても信じてもらえないよね。
でも、莉奈のことだから気を利かせて、綾人と仲良くなって紹介してあげるとか言ってきそうだし…
「だから、霧野さんと仲良くなって千夜に紹介してあげる!」
ほら、言った通りに…
「え、あ…いいよ、そんなことしなくても!」
「なんでよ〜せっかく千夜が二次元以外に興味持ったんだもん。こんなチャンスを逃せない!!」
若干けなされたのか、そうじゃないのか…
とりあえず、莉奈が綾人と仲良くなる前に何とかしなきゃ…